2019年3月13日水曜日

認知症理解の8大法則・1原則

杉山孝博氏(川崎幸クリニック 院長)は、「認知症をよく理解するための8大法則・1原則」として下記の内容を提唱しています。

【第1法則:記憶障害に関する法則】
■記銘力低下
→話したことも、見たことも、行ったことも直後に忘れてしまうほどのひどい物忘れ

■全体記憶の障害
→食べたことなど、体験したこと全体を忘れてしまう

■記憶の逆行性喪失
→現在から過去にさかのぼって忘れていくのが特徴
 

【第2法則:症状の出現強度に関する法則】

より身近な者に対して認知症の症状がより強く出る

【第3法則:自己有利の法則】
自分にとって不利なことは認めない

【第4法則:まだら症状の法則】
正常な部分と認知症として理解すべき部分とが混在する。初期から末期まで通してみられる。
 
【第5法則:感情残像の法則】
言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れる(記銘力低下の特徴)が、感情は残像のように残る。理性の世界から感情の世界へ。
A:ほめる、感謝する
B:相槌をうつ
C:共感(「よかったね」を付け加える)
D:謝る、事実でなくても認める、嘘をつく(悪役を演じる俳優の気持ちで)


【第6法則:こだわりの法則】
ひとつのことにいつまでもこだわり続ける。説得や否定はこだわりを強めるのみ。本人が安心できるようにもっていくことが大切。
A:そのままにしておく
B:第三者に登場してもらう
C:場面転換をする
D:地域の協力、理解を得る
E:一手だけ先手を打つ
F:お年寄りの過去を知る
G:長期間は続かないと割り切る


【第7法則:認知症の症状の了解可能性に関する法則】
老年期の機能低下の特性から全ての認知症の症状が理解・説明できる

【第8法則:衰弱の進行に関する法則】
認知症の人の老化の速度は非常に早く、認知症になっていない人の約3倍のスピード。
 
【介護に関する原則】
認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする。

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