2019年12月26日木曜日

介護人材の争奪戦

介護人材の国際争奪戦


今後各国で同時多発的に介護ニーズが高まり、生産年齢人口が減少するため、世界規模での介護職争奪激化が始まります。

この際、求職者側としての一番のポイントは、手取り収入です。
すでに日本の手取り収入は、韓国や中国に負けている分野も出てきました。

月額賃金でも、差が縮まってきています。

また、日本語は「漢字」「ひらがな」「カタカナ」があり、文法も複雑なため、「言葉」の面でも不利です。同程度の収入・手取りなら学習の苦労が少ない国を選ぶでしょう。

国内他産業との争奪戦


他の国との争奪戦を経て、日本を選んでくれた貴重な人材に対し、今度は、国内の多くの産業間で争奪戦が行われます。

介護の生活援助と非常に業務が似ている「家事支援員」では、特区事業として外国人家事支援人材の受け入れがすでに始まっています。

家事支援員は、介護よりも求められる日本語レベルも低く、就業しやすい環境にありますが在留期間が3年と短く、応募が少ないため、5年に延長することが検討されています。
そうすると、介護での技能実習などとの競合も激化するでしょう。

また、各地でおなじみのファーストフード店では時給1500円でアルバイトを募集していました。

参入の難易度も就業中の難易度も高い介護とファーストフードのバイトではどちらを選ぶでしょうか。

地域内での争奪戦

外国人従事者が自分たちの地域に来てくれることになっても、最後には地域内での争奪戦が待っています。

現在、全産業統計では、外国人雇用は、規模が小さい事業所ほど多くなっています。
小規模事業所は、離職率が低いところも多いのですが離職率が高いところも多く、離職率が高いところは、人手不足から外国人従事者を雇用する場合も多いようです。

技能実習生は、実習場所を変えることができないため、劣悪な環境下で従事させる場合もあり、社会的な問題となっています。

同じような現象が介護分野で発生すると、日本に来る外国人、介護分野で働く外国人は減っていく一方になるでしょう。

技能実習生から特定技能に移行すると、職場の移動が可能になります。3年間の指導でようやく現場で通用する介護職になったと思ったら、処遇の良い他の施設に移られてしまうことが多発するでしょう。

地域内での事業所間争奪戦が激化していきます。

その結果…

各国で介護者ニーズが高まりますが、中国はその数がとても大きく、また、中級~富裕層の数も増加していき、自費で介護職を雇う世帯が増えるでしょう。

10年前、上海の介護施設で一番の問題となっていたのが「職員不足」です。

10年前でその状態だったので、現在はもっと人材不足が進んでいるのではないでしょうか。

中国が必要とする介護人材の数は、莫大なものになるでしょう。

また、生産年齢人口が増加するインド、フィリピンの国民は、英語が比較的得意です。
そうすると、賃金の高い、オセアニア、カナダ、シンガポールなどで仕事を選ぶかもしれません。

地理的不利、言語的不利な立場にある日本の立場は、ますます弱くなっていきます。

外国人従事者が日本の介護を選ばなくなることは、それほど低い確率ではありません。外国人従事者に依存する人員体制を構築してしまうと、事業が運営できなくなってしまう恐れがあるというリスクも承知しておく必要があるでしょう。

それを避けるためには、これから外国人従事者を受け入れる各職場が、外国人従事者の待遇を良くすることにつきます。

お互いの法人で、注目し合いながら、切磋琢磨しつつ待遇向上を目指す必要があります。厚生労働省も、さまざまな支援を準備していますのでこれらの有効活用を図ることも必要です。

<外国人人材の採用について学ぶ>
https://www.tsuusho.com/meeting/seminar/

2019年12月25日水曜日

意外と知らない労働法規の常識

意外と知らない⁉「休日労働」の正しい定義

休日には、会社で定めている「所定休日」と労働基準法で定められた「法廷休日」があります。労働基準法でいう「休日労働」とは法定休日に労働させることを意味しています。
※法廷休日…1週間につき1日または4週4日の休み

「振替休日」と「代休」の違い


■労働基準法上の「振替休日」と「代休」の取扱いの違い

【振替休日】
あらかじめ定められた法定休日をほかの日に振り替えることです。振替後の休日に勤務しても通常の勤務と同じです。したがって休日労働に対する割増賃金の問題は発生しません。
ただし、振り替えた休日が週をまたぐ場合でその週の実労働時間が法定労働時間(40時間)を超えた場合は、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要となります。

【代休】
定められた法定休日に休日労働を行わせた場合に発生しますので、その後に代休を与えても休日労働をさせたことが帳消しにされるものではありません。したがって、休日労働に対する割増賃金を支払う必要があります。

休日を振り替える場合は、次の措置が必要となります。
  • 就業規則に振替休日の規定を定めること
  • 振替休日は特定すること
  • 振替休日は4週4休の休日が確保される範囲のできるだけ近接した日とすること
  • 振替は前日までに通知すること 

【労働法規を分かりやすく学ぶ】
https://www.tsuusho.com/meeting/seminar/

2019年12月19日木曜日

知っとくと「会話」と「ケア」が広がる



現在、私たちは基本的に1日3食の食事を取っていますが、昔は朝・夕の2回でした。

1日3食になったのは江戸時代からで、そのころも3回食べるのは労働量が多い人々の習慣であり、武士の禄高などは1日2食で計算されていました。

また私たちは、食事の合間にも「おやつ」を食べることがあります。

「おやつ」とは「やつ」の丁寧語で、 

「やつ」とは…

江戸時代の時刻で「八つ刻(午後2時〜4時の時間帯)」

を意味しています。

江戸時代中期までは、1日2食だったため「やつ」に食べた間食を「おやつ」と呼ぶようになり、その後、間食のこと自体を「おやつ」と呼ぶようになりました。

その言葉の由来を知ると、この「おやつ」も食事の一部と考えることができます。

また、ティータイムのお茶やお菓子なども食事と考えることができます。

このほかにも、飲料形態での食べ物やサプリメントなど、さまざまな形態の「食事」があります。

「食事」は経時的な視点、形状の視点など、各種視点から見ると実にさまざまな内容でとらえることができ、そう考えることで、【食事のケア】も広がります。

<摂食・嚥下障害の方へのアプローチを学ぶ>
https://www.tsuusho.com/swallowing/

2019年12月18日水曜日

総合事業を構成する各事業の内容及び対象者

第88回社会保障審議会介護保険部会資料より

■介護予防・生活支援サービス事業
→対象者は、制度改正前の要支援者相当の方
  ※要支援認定者、基本チェックリスト該当者(事業対象者)

■一般介護予防事業
→ 対象者は全ての第一号被保険者(65歳以上の方)とその支援のための活動に関わる方

この2つの事業から総合事業は構成されています。

介護保険制度は創設から約20年が経ち、サービス利用者は創設時の3倍を超え、介護サービスの提供事業所数も着実に増加し、介護が必要な高齢者の生活の支えとして定着、発展してきています。

しかし、高齢者数は今後も増加し、少子高齢化は進展していきます。
そのため、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、介護が必要な状態となっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される【地域包括ケアシステムの構築】が取り組まれてきました。

さらにその先を展望すると、いわゆる団塊ジュニア世代が 65歳以上となる 2040年には、高齢人口がピークを迎えるとともに、介護ニーズの高い85歳以上人口が急速に増加することが見込まれます。

老々介護、高齢者の独居、認知症の人の増加も見込まれるなど、介護サービスの需要は増加・多様化することが想定されています。

未曾有の介護人材不足の状況が2025年以降はより一層強まり、現役世代(担い手)の減少が顕著となり、地域の高齢者介護を支える人的基盤の確保が大きな課題となります。

これからの介護保険制度改正では、全ての人が「地域」「暮らし」「生きがい」を共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現に向けた改定内容が推進され、地域づくりの中核的な基盤となり得る法人づくりが必要となります。
また、「住民主体の通いの場の取り組み」「通いの場の類型化」の推進、「有償ボランティア等」の参加促進やそれを地域の医療機関や地域住民、自治体等と連携してPDCA サイクルに沿って、効果的・効率的(プロセス指標やアウトカム指標)に取り組みへの関与・エビデンスを構築していくことが重要となります。

その一つが総合事業であり、総合事業は「自治体」「地域の医療・介護事業所などの地域資源」「地域住民」でつくる「地域」「暮らし」「生きがい」「人と人をつなぐコミュニティづくり」に向けた柔軟なサービスとなります。


<総合事業について正しく理解する>
 https://www.tsuusho.com/day/

2019年12月4日水曜日

【目標設定の要素】として大切な「あ・せ・の・た・ぐ・い」

目標設定の要素には「あ・せ・の・た・ぐ・い」の6つの要素が必要です。

「あ」…当たり前でないこと(×:転倒を防ぐ、×:下肢筋力の低下を防ぐ)
→転倒予防や心身機能の低下を可能な限り防ぐことなどは、利用者全員に当てはまることで、ケアとして当たり前にしなければいけないことです。ケアで当たり前にしなければいけないことは、長期目標にわざわざ掲げるのではなく、普段のケアの中で全員に実施します。

「せ」…生活に密着していること
→生活を支援することが介護の役割なので、介護の目標は生活に密着していなければいけません。加えて、デイの場合は「自宅の生活の自立支援」が求められているため、自宅での具体的な活動・行為が目標になります。

「の」…本人や家族が「気持ちよく乗れる」こと
→介護は本人のQOLを高めるために実施されるサービスです。また、ケアプランは本人の同意が必要です。そのため、目標は本人が「その目標なら私も頑張れる。その目標に乗れる」と思える内容でなければいけません。
 
「た」…達成できること
→計画書は、一般的な商行為、ビジネス行為でいうと「契約書」です。計画書に書かれたことを達成する代わりとして、本人の時間、金銭を提供してもらうという約束を交わした書類です。目標は、原則として達成しなければいけませんし、達成できないような目標は立ててはいけません。
 
「ぐ」…具体的であること(達成時期・達成に向けてのプロセス…など)
→目標から「目標を達成するために何をすれば良いか」が分からなければ、ケアプランを作成できません。目標には「達成するために何をすれば良いか」が分かる程度の具体性が必要となります。「いつ」「何を」「どのように」達成するかを決める必要があります。特に、「いつ達成するか」の時期は必須となります。 

「い」…今はできないこと(実現するために一定の時間と努力・工夫が必要なこと)
→今すぐできることは、すぐにしましょう。達成するために一定の期間と努力が必要なことが目標となります。

【自立支援型デイの運営セミナー】
https://www.tsuusho.com/npo/active_participation/