2019年11月15日金曜日

介護事業における人件費割合の推移(収入に対する給与費の割合)

第172回社会保障審議会介護給付費分科会の資料より

172回社会保障審議会介護給付費分科会では、近年の介護人材の確保が課題となる中「地域区分」「介護職員処遇改善状況」などに対する議論が行われた。

特に地域区分の低い市町村においては、事業者参入や介護人材確保が困難になっており、根本的な見直しと検討を求める声が上がっている。

サービス毎の人件費割合については、人件費が上昇傾向にあること踏まえつつ、財政中立を原則とした制度であることを考慮しながら、来年度以降さらに検討することが予定されている。

※地域区分とは…介護報酬はサービスの提供に要する平均的な費用の額を勘案して設定するものであり、地域ごとの人件費の地域差を調整するために地域区分を設定し、地域別(8区分)及び人件費割合別(3区分)に1単位あたりの単価が定められている。

■介護サービスごとの人件費の割合(人件費の割合が高いものから)

夜間訪問介護以外のサービスは上昇傾向に (特に通所系サービス、施設系サービス)


・居宅介護支援…84.1%(前回より上昇)
・訪問看護…78.3%(前回より上昇)
・訪問介護…76.1%(前回より上昇)
・夜間訪問介護…74.9%(前回より下降)
・認知症対応型デイ…68.3%(前回より上昇)
・小規模多機能…67.6%(前回より上昇)
・訪問入浴介護…65.1%(前回より上昇)
・地域密着型特養…64.4%(前回より上昇)
・通所リハ…64.6%(前回より上昇)
・特養…64.6%(前回より上昇)
・通所介護…64.2%(前回より上昇)
・短期入所…64.0%(前回より上昇)
・グループホーム…62.7%(前回より上昇)
・老健…60.1% (前回より上昇)
・療養型…60.0%(前回より上昇)
・地域密着型特定施設…56.5%(前回より上昇) 
・特定施設…46.0%(前回より上昇)


【数字からみえること】
・通所系サービスの人件費の割合は前回調査時よりも上昇
・介護職員処遇改善加算による手当、給与水準を高めなければ人材が集まらないことが影響している
 


 ■第172回社会保障審議会介護給付費分科会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07850.html

【日本通所ケア研究会】
https://www.tsuusho.com/