2019年4月24日水曜日

介助とは

「介助とは何か」「介護と介助の違いは何か」と考えたことはありませんか?

日本通所ケア研究会では、「介護」と「介助」を以下のように定義してお伝えしています。

【介護とは】
生活全般を支援する物理的および人的な手段であり、物品・設備などの物理的環境整備や人的な手助け、機械による手助け、心理的サポートなどを指す

【介助とは】
本人の動作を本人及び他者の言語・力を使って直接的に手助けすることを指す

<介助の種類>

①自己介助
 →自分の力が弱い部分を自分自身の違う部分で補い動かす




② 言葉介助
→言葉を使って、動作・活動を支援する



③目線・指さし介助
→目線や指差しなどを使って行動・活動を支援する

 
④直接介助
→他者の腕や足などを使って直接動きを手伝う




⑤精神的介助
→そばにいることで精神的に安心してもらうなど



【介助の基本】
介護現場での介助は、「リスクマネジメント」「本人中心」「自立支援」の視点が大切です。よって、介助場面で使用する言葉も利用者本人を中心に考える必要があるのではないでしょうか。

<例>寝返りをうつのを手伝う場合
「体位変換」ではなく「寝返り介助」

<例>立たせる、起き上がらせる場合
 「○○させる」ではなく「○○する」または「○○するのを手伝う」

上記の表現が適切なのではないでしょうか。



私たちは、体の一部を動かす時でも無意識にほかの部分の筋緊張や位置を調整しながら、全身のバランスを保っています。

そのため、他動的に動かすと全身のバランスも崩れやすく、スムーズに動作を行えなくなり、転倒リスクが高まります。

また、高齢者は動かされることに対して準備が遅れやすいため、関節痛や筋肉痛などの痛みも発生しやすくなります。

たとえわずかであっても、可能な限り本人に動いてもらい、それを介助するという視点が重要です。

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2019年4月19日金曜日

介護事業所に求められる地域貢献

平成27年の介護報酬改定では、通所介護事業所は地域連携の拠点としての機能の充実として、利用者者の地域での暮らしを支えるため、医療機関や他の介護事業所、地域の住民活動等と連携し、事業所を利用しない日でも利用者を支える地域連携の拠点としての機能を展開できるように、生活相談員の専従要件が緩和されました。


平成28年に改正された社会福祉法では、社会福祉法人が地域住民を対象とした認知症の症状改善のための講座や孤立する住民を支援するための食堂の開設、見守り支援や交流サロンの運営などの地域貢献活動を行うことが義務化されました。

また、平成30年度の介護報酬改定で介護老人保健施設は「在宅強化型」「超強化型」について地域貢献活動を行うことが算定要件の一つとなっており、その取り組みが老健の役割として強く求められています。

老健以外にも、介護医療院に地域貢献活動の実施を要件とする類型が設けられていたり、共生型サービスのサービス管理責任者配置等加算の取得に地域貢献活動を実施することが必須であるなど、介護事業所に対して地域貢献がより一層求められるようになったといえます。

義務化されていないサービスについても、地域のニーズを掘り起こし、地域住民と関係を築き信頼を得ていくためには地域貢献活動に取り組むことも重要な選択肢となってくるのではないでしょうか。

これは、公的保険サービスの範囲内だけに関わらず保険外サービスを含めて考えてみてもよいのではないでしょうか。

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2019年4月18日木曜日

過去働いていた職場を辞めた理由

財団法人社会福祉振興・試験センターの平成27年調査によると、退職理由の1位として「業務に関連する心身の不調」でした。

2位以下は下記の通り。

2位:法人、事業所の理念や運営の在り方に不満があった
3位:職場の人間関係に問題があった
4位:収入が少なかった
5位:労働時間、休日、勤務体制が合わなかった

社労士、社会福祉士の資格を生かし、介護・福祉業界に特化した「人材育成・キャリアパス制度、労務管理」を全国各地で実践している志賀弘幸氏によると、あるデイサービスでは、「ITでの記録管理」と「インカムによる情報共有」という業務の効率化を推進した結果、約40%あった離職率が3年で3%まで激減し、入職希望者も増えているという事例も報告されています。

これは確実に「人材の定着」が行われているのと同時に「人材の確保」に結びついていることを表しています。

人口の減少や国の施策と今後の方向性を考えると、人材確保や定着の側面からも「働き方改革」「IT化」「効率化」などに対応していかなければならない時代に突入しているのかもしれません。

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2019年4月15日月曜日

デイサービスのウリって何!?


近年デイサービスの多様化はますます進んでいます。

数多くあるデイの中からケアマネジャー・ご利用者は何を基準にデイを選んでいるのでしょうか。

月刊デイの調査によると「ご本人の希望・趣味・雰囲気」「デイの特徴」を見比べ、相性が良さそうと思うデイを紹介していることが分かりました。

ココでいうデイの特徴は「穏やかに過ごせそう」「和気あいあいとしている」といったことも含まれています。

制度はデイサービスに【〇〇特化型】は求めていません。

「ウリ=事業所の強み」です。

自事業所は「平凡」「普通」と思っているそれこそ、ケアマネジャーやご利用者・地域からは【特徴】だと思われているかもしれません。

ケアマネジャーやご利用者・地域に伝わる事業所の強みを再確認してみてはいかがでしょうか?

<再認ポイント>
・ご利用者のニーズに応えられているか
・事業所のハード面は劣化していないか
・スタッフの強みは何だったか
・最新の業界情報や新制度について情報収集しているか
・他産業、他分野の取り組みを真似できないか


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2019年4月12日金曜日

押さえておきたい働き方改革の要点


4月施行となった「働き方改革関連法案」では、職場をどのように変化させる必要があるのだろうか。
この働き方改革を、職員の職場定着促進や人材確保に向けたチャンスとして捉えることができれば、今後の人材戦略に大きな影響をもたらします。

① 時間外労働の上限規制
(2019年4月1日施行、中小企業は2020年4月1日施行)

→時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要がある。

【ポイント】
介護現場においては、時間外労働について二極化している
時間外労働とは無縁の事業所も多い
反面、一部の事業所においては月60時間を超える時間が労働をしている事業所もある
時間外労働の事前申請制を導入することも有効
上限規制に違反すると罰則あり(6カ月以下の懲役まはた30万円以下の罰金)


② 年次有給休暇の確実な取得が必要
(2019年4月1日施行)

→使用者は10日以上の年次休暇が付与される全ての労働者に対して、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要がある。

【ポイント】
有給休暇の取得促進は罰則(30万円以下の罰金)の適用あり
管理者が有給休暇管理表を作成し管理するなどの対策を検討


③ 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の禁止
(2020年4月1日施行、中小企業は2021年4月1日施行)

 →同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止される。

【ポイント】
介護業界においえて非正規職員の活躍、戦力化は不可欠
キーワードは「多様な働き方に対応できるか」
同一労働同一賃金に向けて「基本給」「賞与」「手当」の支給基準など就業規則、賃金規定など適切に見直すことも必要

※同一労働同一賃金
「基本給の決定基準について職業経験・能力に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。平成28年に待遇差について問題となる例・ならない例のガイドラインが例示されている。

<ガイドライン>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html

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2019年4月9日火曜日

勤務形態のギモン

デイや介護事業所の人員基準などで使われる「常勤」「非常勤」とは一般的な「正社員・パート職員」を表す雇用契約上の「常勤」「非常勤」と同じ意味ではない。
介護保険の人員基準上「常勤とは、当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(週32時間を下回る場合は週32時間を基本とする。)に達していることをいいます。

(例)
A事業所での勤務時間数が週40時間に達している
達している【常勤】
達していない【非常勤】
<注意>
法人に正社員で採用されていても様々な事業所へ行っている場合は、介護保険上の人員配置上【非常勤】の扱いとなります。 

 
「専従」とは
→「専従」は勤務時間帯に事業所内でその職種の業務のみを行うこと 

「兼務」とは
「兼務」は勤務時間帯に事業所内で1つ以上の職種の業務を掛け持ちすること
※兼務については、あらかじめ1日の中でそれぞれの職種で勤務時間が区分されていなければなりません。兼務可能な職種の組み合わせや職種数など、自治体によって判断が異なります。

(例)
A事業所で8時間勤務する看護師の資格を有するDAYさんを、「4時間:看護職員」「4時間:機能訓練指導員」で届け出た日がある。
→この場合、 この届出がある日のDAYさんは【常勤・兼務】となる。
<注意>
個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定する週6営業日の事業所の場合、常勤専従の機能訓練指導員を配置し、当該機能訓練指導員が休み(不在)の日のみ、常勤の看護職員が機能訓練指導員として機能訓練を専従で行い、非常勤の看護職員が看護業務を行う場合は6日間該当利用者から 個別機能訓練加算(Ⅰ):46単位を算定することができる。
 
(月刊デイ2019.05号より抜粋)
https://daybook.jp/day.html

■短時間正職、正職が夜勤をやらない…というパラダイムの返還について学びならこちら
https://www.tsuusho.com/personnel_evaluation/

2019年4月4日木曜日

デイでの適切な運動量はどれくらい!?


デイのご利用者はそれぞれ「年齢」「身体機能」「体力」が異なるため、一律にどの程度の運動を行えばよいとは言えません。


厚生労働省では、65歳以上の高齢者は強度を問わず、1日約40分体を動かすことを推奨しています。
厚生労働省:アクティブガイド~健康づくりのための身体活動指針~


一度に続けて40分の運動が難しい場合は、数回に分けて行うことが望ましいです。

(一般的な体操)
■NHKラジオ体操 第1 ・・・ 3分
■NHKラジオ体操 第2 ・・・ 3分30秒

(月刊デイに収録されている体操)
■「歌に合わせてADL・IADL体操」 ・・・ 5分
■「歌に合わせて身体機能体操」   ・・・ 5分
■「ADL改善体操」 ・・・ 20分

運動前にはバイタルチェック体調確認、運動量を増やすには服薬状況などにも注意を払うことが大切です。

また、運動と言えば立って行う運動を想像しがちですが、立って行う運動が難しい場合は、「寝たままできる運動」「座ったままできる運動」などをデイだけでなく、ご自宅で行ってみるのも活動量を増やす方法の一つです。

もっと詳しい情報は「月刊デイVol.233(2019年4月5日)」に収録されています。

■月刊デイ
https://daybook.jp/day.html

■リハビリ・トレーニング効果を向上させる新しい視点の活動分析と介入セミナー
https://www.tsuusho.com/activity_analysis/

■介護・看護・リハ職の連携強化のためのリハビリ知識と技術セミナー
https://www.tsuusho.com/enhance-collabo/ 

2019年4月3日水曜日

魔法の採用方法はない!人材確保の方法を他の業界から学び、情報収集と分析を行う


超人気企業でも人手不足の課題を抱えています。
人手不足の深刻さは、介護業界を問わず現在の日本において深刻な課題となっています。

介護業界は基本「ひと対ひと」のサービスが基本であるため、介護ロボットが普及しても限界があると考えられます。






だからこそ必要なのが、労働力を集める工夫や定着を促進する努力や仕掛けを真剣に検討し、実践することです。
 (デイと介護の経営と運営 Vol.42 志賀弘幸氏 著:「スタッフ確保の一手」)


【ポイント】
・労働力を集める工夫やア定着を促進する努力、仕掛けを真剣に検討し実践すること

・キーワードは「ベンチマーク」と「マーケティング」

・上記の「当たり前のこと」と思われることを愚直に徹底的行うことで成果が上がる

・広い視野で採用に関する情報を集める

・求人が上手な企業の共通点は「働きやすさに配慮した職場づくり」「やる気を引き出す仕掛けの整備」と同時に「辞めさせない仕掛け、辞めたくない仕掛け」をしている

・採用上手な企業は退職者も少ないという特徴がある

・「長時間労働の削減」「女性が働きやすい育児介護休業の充実」「柔軟かつ多様な勤務時間体制の導入」など組織再生、人材育成、労務管理とも連動する

・「退職者、採用者の地域別、年齢別データ」の整備・分析で求人広告を打つ地域を細分化

・介護サービスにマーケティングの視点を導入することは、「利用者確保」「利用者満足度」「求人」において非常に有効な手段

・「どのような人材を募集するのか」「その人材はどこにいるのか」を調査し、「欲しいところに求人をかける」などターゲットを明確化し接触しやすい環境をつくる

【介護事業者が取り組むべき人事考課制度再考セミナー】


※「ベンチマーク」
→ここで述べている「ベンチマーク」とは、基準となる他の企業をしっかり定め、その企業の方法を参考にしたり、マネをすること
※「マーケティング」
→ここで述べている「マーケティング」とは、施設を取り巻く環境を調査し目標を定めること

2019年4月2日火曜日

送迎の途中で「スーパーに寄りたい」と言われたけど、スーパーで降ろしてもいいの?


ご利用者が、デイから自宅へ帰る送迎車の中で「スーパーに寄って買い物をしたいから、ここで降ろしてくれ」と言われました。

そのときはほかの利用者もいたため、「寄り道はできません」と伝え、納得していただきました。

スーパーは送迎ルートの途中にあり、今後も「寄ってほしい」と言われそうです。

送迎中の寄り道はできるのでしょうか? 

デイの送迎は居宅の発着が原則とされていますので、無計画にご利用者を降ろすことはできません。

「送迎ルートを外れない」「直接・間接に送迎費用を徴収しない」ときにおいて、道路運送法の許可や登録は必要ありません。

※周囲の道路が狭い、送迎者が敷地に入らないなど【やむを得ない理由】がある場合は、必ずしもご利用者の居宅が送迎の発着地にならない場合も想定されています。(介護保険最新情報Vol.59) ご家族やケアマネジャーと連携しご利用者の個々の状況に応じた送迎方法を定めることに留意しましょう。

しかし、保険外サービスとして送迎時の買い物支援などを可能とする通知が示されています。

<送迎にあわせて行う買い物支援の条件>

・送迎の途中で、送迎の一環として商店などへ立ち寄る場合であること
・送迎の通常ルートから逸脱しない範囲で行われるものであること
・買い物等支援の費用は、その支援を得たときのみに発生すること
・買い物等支援は利用者が希望する場合のみに行うこと
・買い物等支援の費用は、移動距離や時間によって差異がないこと
→上記は道路運送法の許可・登録をとらなくても大丈夫な条件です。

(月刊デイ2019.04号より抜粋)
https://daybook.jp/day.html

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