2019年5月28日火曜日

これってどうなの!?【ケアのギモン編】

【回答】
薬の形状は変えることができません。薬が飲みにくい場合は主治医に相談しましょう。

服薬介助では、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の指導・助言を遵守することが必要です。

(ポイント)
薬の形状を変えてしまうと効果が変わってしまう!
錠剤には、砕いて飲んでも効果が変わらないものと、砕いてはいけないものがあります。

例)・有効成分が胃ではなく、腸で溶けるようにするため
  ・湿気やすい有効成分を守るため
  ・苦味が強い薬を飲みやすくするため

上記のような理由で 、表面がコーティングされている場合があるため、飲み込みにくいような場合は、まずは処方した医師・薬剤師に相談しましょう。

※介護職員が行えるのは「医薬品の使用介助」などです
→厚生労働省は平成17年に出した通知の中で、右記の医薬品の介助などについて介護職が行うことを条件付きで認めています。医師や薬剤師の処方を確認し、看護職員の指導・助言を遵守する必要があります。

(条件付きで行える医薬品の使用の介助)
・皮膚への軟膏の塗布 ※褥瘡の処置は不可
・皮膚への湿布の貼付
・点眼薬の点眼
・一包化された内服薬の内服(舌下錠の使用も含む)
・肛門からの座薬挿入
・鼻腔粘膜への薬剤噴霧

ご注意ください

※月刊デイ7月号特集:これってどうなの?デイで必要な各種法令・ルールより一部引用※

その他にも「月刊デイ」では以下のような疑問に答えています。

■設備のギモン
■食事のギモン
■ケアのギモン
■労働のギモン
■送迎のギモン
■個人情報のギモン
■その他のギモン  

【月刊デイ】
https://daybook.jp/day.html 

【日本通所ケア研究会】
https://www.tsuusho.com/

2019年5月23日木曜日

これってどうなの!?【送迎編】



【質問】
デイの駐車場に到着後、認知症の症状があるご利用者が中々車から降車してくれません。
きちんとサービス提供時間に間に合うように送迎を完了しています。
この場合サービス提供時間に含んでも大丈夫ですか?

【見解】
制度上はサービス提供時間に含まれません。

送迎時間はサービス提供時間に含むことはできません。
制度上は計画したサービスを事業所で始めた時間からがサービス提供時間となるため、このケースの場合、基本的にはサービス提供時間に含めることはできません。
 
しかし、当日の利用者の心身の状況によって時間が短くなった場合にはQ&Aに示されている通り、予定していたサービス提供時間区分で算定することも可能です。
 
※ただし、利用者負担の軽減の観点から短い時間区分での算定をしてもよい 。こうした取扱いは、サービスのプログラムが個々の利用者に応じて作成され、当該プログラムに従って単位ごとに効果的に実施されている事業所を想定しており、限定的に適用される
 
 
 
参考元【厚生労働省 平成24年介護報酬改定に関するQ&A】


■基準・制度を深く参加体験型研修で学ぶなら
(管理者・リーダーのためのマネジメント講座)
https://www.tsuusho.com/management/

■基準・制度を読んで学ぶなら
https://www.qolservice.co.jp/administrator/
 

2019年5月17日金曜日

座位に関する困りごと


高齢者によくみられる「ずっこけ」や「傾き」などの各症状に、評価のポイントやシーティングのコツを紹介します。
シーティングに対する考え方はさまざまあり、対象者の状態も千差万別ですので、「これが正解」というものはありません。
目の前の方の状態を評価し、原因を探ってみましょう。
 

介護現場でよく見られる座位に関する困りごとと、それに対応するためのヒント

【困りごと】
  1. ドスンと勢いよく座ってしまう
  2. イスに座る際、お尻の位置がずれてしまう
  3. 長時間座っていると下肢がむくむ
  4. 作業中に座位を長く保てない
  5. ふらつきや転倒が起こる
  6. イスや車イスに座ると身体が傾いてしまう

<ドスンと勢いよく座ってしまう>
■考えられる原因
  • 重心がかかとにかかっている
→かかとに重心がかかっていると勢いをつけた座り方になりやすい
筋力の低下

<イスに座る際、お尻の位置がずれてしまう>
■考えられる原因
  • 自己身体と環境認知能力の低下
→自分の身体や自分の周りの環境に対する認識がうまくできていないと、イスにきちんと座れず、「イスから転落」「イスや机の脚にぶつかったり、足がひっかかったりする」などが起こりやすくなる


<長時間座っていると下肢がむくむ>
■考えられる原因
  • 足の運動不足
→長時間座っていると身体の同じ箇所が圧迫されて血流の循環が悪くなる。高齢者は特に筋力低下によってふくらはぎのポンプ機能が弱まっているため下肢がむくみやすい

<作業中に座位を長く保てない>

■考えられる原因
  • 体力の低下
→どのような時にどのくらいの時間、座位保持が必要なのか検討・評価し座位保持の時間を延ばせるのかプランを立てる
  • 身体に痛みがある
→「いつから」「きっかけ」「痛みの強さ」「痛みの種類」「日常生活に影響があるのか」「痛み軽減と増悪のタイミング」などを評価する

※一見、体力や痛みの問題だと思われる場合でも、「車イスが合わない」「身体に圧がかかっている」など、実際は違うことが原因で座位時間が制限される場合があります。対象者が楽に座位姿勢が取れているか評価することが重要

<ふらつきや転倒が起こる>
■考えられる原因
  • 座位の時間が長い
→長時間座位姿勢でいると立ち上がった際のふらつきの原因となる。座りすぎは下肢機能を低下させるほか、褥瘡・痛みの発生など健康にも悪影響を起こす場合があるので注意が必要
  • 転倒しやすい身体状況である
→転倒原因を分析し把握する
(例)感覚機能、高次脳機能、姿勢反射、バランス能力、運動機能、病気・薬の影響など

<イスや車イスに座ると身体が傾いてしまう>
■考えられる原因
  • 身体の寸法に車イスが合っていない
→サイズなどが身体に合っていないと姿勢を保てずに身体が傾く
座り直しができない
  • 半空間無視がある
→高次脳機能障害により、片側にあるもなどに気付かない、認識できない症状があるため、座位が片側に傾いてしまう

具体的なプログラムや対応についてはこちらをご覧ください

【月刊デイ 2019.7月号 特集「座位の問題解決します!」
https://daybook.jp/day.html

【リハージュ ムック本「とことんシーティング」】
https://www.qolservice.co.jp/rehajeadvertisement/

【日本通所ケア研究会】
https://www.tsuusho.com/

2019年5月16日木曜日

コーチングを身に付けるメリット


 コーチングは、相手の可能性を最大限に引き出し、また自ら行動する自発性を促進し、相手の目標達成を支援するコミュニケーション技法です。
介護現場における様々な場面(「ご利用者との関り(ケア・リハ・レク場面…など)」「スタッフとの関り」)で必要となります。
 
 
[1]傾聴
→「先入観や過去の経験による決めつけ」や「指導者の個人的意見」は置いておき、相手の話を最期までじっくり聴く
 
[2]質問
→相手の気づきと行動を促すため「意図」を持った質問をする
 
[3]ページング
→「言葉遣い」「動き」「姿勢」など相手の状態とこちらも同じようにして雰囲気を同調させる
 
[4]承認
→「存在」「行ったこと」「変化」に気付き、認める
 
[5]伝達
→「現状」「指導者が感じたこと」をそのままフィードバックすること
 
[6]提案
→相手の行動の幅を広げるためのアイデアを提案。ただし、選択権は相手に委ねる事
 
[7]要望
→相手のメリットになるであろうことをリクエストし行動を促すこと

<実践するために必要な環境づくり>
  • 座る位置
  • 座り方
  • 頷き
  • 相槌
  • ジェスチャー
  • 視線
  • 声のトーン
  • 声量
  • 声のスピード
  • 動作
  • 表情
  • タイミング

上記が「自然と自発的にできる人」と「意識しないとできない人」がいると思います。

上記を日ごろのケア場面やご利用者・スタッフとの関りの場面を振り返ってみてはいかがでしょうか。

【レク場面での関わりにコーチングスキルUPにつながる研修】

【リハ場面での関わりにコーチングスキルUPにつながる研修】

【多職種協働の場面でコーチングスキルスキルUPにつながる】

【認知症の方との関りでコーチングスキル生かす研修】

2019年5月15日水曜日

介護サービスにおける生産性の向上とは


(介護サービス事業者の生産性向上ガイドラインより)

なぜ、生産性の向上を考えないといけないかを考えるため、要約してみました。
 
目的
① 要介護者の増加やニーズがより多様化していく中で、業務を見直し、限られた資源(人材等)を用いて1人でも多くの利用者に質の高いケアを届ける。
② 改善で生まれた時間を有効活用して、利用者に向き合う時間を増やしたり、自分たちで質をどう高めるか考えていくこと

これらの目的を達成していくことが「人材育成」「チームケアの向上」「情報共有の効率化」につながり、働く人のモチベーション向上・職場環境づくりに影響を与え「介護サービスの質の向上」「人材の定着・確保」につながる。


<日本通所ケア研究会>

2019年5月9日木曜日

知っておきたい!ケアの質を高める「接遇」

事業所の印象は一瞬で決まってしまいます!

例えばAとBの2事業者があるとします。

A事業所では

「玄関でお客様が立ったまま、すれ違う職員は誰一人《ご用件は伺っておりますか?≫など聞かないし、挨拶もしない」

もう一方の

B事業所では

「お客様が来ると近くにいた職員がすぐに対応し、すれ違う時には職員一人ひとりが一瞬笑顔で挨拶をする」

この2つの事業所にもし、あなたが訪れた時にはほぼ100%に近い確率でBの事業所に対して好印象をいただくことは容易に想像できます。

接遇の改善・向上の取り組みは、職員間のコミュニケーションや業務のしやすい環境づくりにつながり、そして間接的にサービスの質向上へもつながります。

接遇を磨くことはもちろん、職員同士でもチェックしあい取り組んでいきましょう。


【日本通所ケア研究会】
https://www.tsuusho.com/

2019年5月8日水曜日

予算120億円の取り組み!小規模法人のネットワーク化による協働推進って何!?

厚生労働省では、「少子高齢化」「核家族化の進行」「人口減少」など、社会環境の変化による【国民の福祉ニーズの多様化・複雑化】を踏まえ、小規模な社会福祉法人等が、自らの創意工夫に基づき、地域貢献事業を積極的に展開していくことを通じて、地域のニーズに対応した地域の福祉サービスの一層の充実が図られるよう、複数法人が参画するネットワークを構築し、協働推進するための「小規模法人のネットワーク化による協働推進事業」を2018年4月1日から適用しています。

そして、平成31年度はこの事業に対して約120億円の予算が投入されています。

主旨として
①小規模法人は地域貢献の意欲があっても職員体制が整わない、単独での取り組みが困難であるため
②特に社会福祉法人においては法人規模に関わらず、地域における公的な取り組みの実施が平成28年の改正社会福祉法で責務化されているため
③複数の小規模法人が参画するネットワーク【ネットワーク参画法人】の強みを活かした地域貢献共同事業の試行を図るため
④福祉・介護人材の確保・定着に向けた取り組みの推進という面もある
⑤協働による「経営効率化」「人材補填」「実施主体の拡大」「取り組み内容の拡充」を図るため

これは、高齢化社会先進国日本が抱える「人手不足などの問題深刻化」と「社会福祉法人による地域の多様ニーズへ対応」「地域包括ケアシステム構築」「地域共生社会の実現」に繋がっている施策です。

「点」で考えられている取り組みでなく、「線・面」で考えられている取り組みという理解をしなければなりません。

2040年を展望し、【誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現】という目的に向けた対策として、この情報を検討してみてはいかがでしょうか。

【2025年・2040年に向けた成長戦略】
https://www.tsuusho.com/strategy/

【人材定着・確保の観点から人事考課を考える】
https://www.tsuusho.com/personnel_evaluation/

【地域共生社会を実現するための成長戦略実践セミナー】
https://www.tsuusho.com/insurance/