2019年8月8日木曜日

ご利用者自身で「できる方法」を考えよう


人材不足が先行する介護現場。
利用者の意思を尊重すること、施設に来てもらい、良くなっていただくこと、できることで自信を持っていただくこと、これらすべてを達成するためには、職員がすべてをしてあげるのではなく、ご自身にできることをしていただくのが一番確実で納得してもらえます。

そして、効果としても現れやすいものです。

もちろん、どのように自分のお手入れをしたいのかは、ご自身が決めるのが一番です。
そんな環境を整えてほしいものです。

例)自分で髪を乾かす

ドライヤーを使って髪を乾かす場合、「ちゃんと乾かせるのか?」「熱でやけどをするのではないか?」などの不安があります。

大きめのドライヤーは職員には便利ですが、利用者にとっては大きすぎたり重くて使いにくいというケースがほとんどです。

最近は小さめの手のひらサイズのドライヤーも売っています。ご自身で乾かしてくれるのなら、時間がかかっても工夫次第で利用者のできることを引き出すことはできます。
ちゃんと乾かせるか心配なら、最初の方だけ手伝ってあげれば良いのです。

また、季節によってはある程度温風で乾かして、続きは冷風で乾かすという方法もあります。
「自分でやってもらう」か「職員がするか」の二択ではなく、ある程度手伝ってあげて残りをご自身でやってもらう。

こんな気遣いとケアを実践していけば、お互いに気持ちよく過ごすことができます。
あくまでも利用者が整容しやすいサポートがケアにつながるということを忘れないでください。

例)自分で髪をとかす

認知症があっても、鏡を見ながら丁寧に髪をとかしている利用者はたくさんいます。
ある程度、頭も乾かせて落ち着かれたら、ぜひ、クシを手渡してあげたり、手に取りやすい場所にクシを用意してあげて、ご自身で鏡を見ながら髪をとかせられるようにしてあげてください。

そして、黙ったままではなく、職員から話し掛けてほしいのです。

心が満たされてリラックスしている状態での会話なら、今までに聞けなかったようなことが聞けることがあると思います。

昔話に花を咲かせる、褒めるなど心のケアとしても効果が得られるでしょう。

Words by 山下総司氏(介護環境アドバイザー)

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