2020年1月23日木曜日

2021年介護保険制度の行方を過去の改定から予測してみました

まずは、12年前の2008年時点での2009年の改定ポイント予測をご覧ください。

 (1)保健・医療・介護・福祉の整合性↑
医療:急性期特化・まるめ、リハ:介護保険中心、介護:中重度者重視 
福祉:生活保護・ホームレス・外国人・介護の補助
医療・リハ・介護のスムーズな移行
介護事業所での医療の実施(介護職員の医療行為、全体としての財源節減)
 
(2)介護保険給付範囲と対象者の厳格化
財源困窮(軽度者の除外、介護予防の除外、真に保険給付が必要な者への給付)
介護=介護保険給付対象ではない
[保険給付としての介護、福祉としての介護、自費での介護]
段階:訪問介護での要支援者への家事援助給付外へ?
     一部サービスで障害者受け入れ可能へ?
段階:介護予防給付別体系へ?給付年齢撤廃?[2015年の高齢者介護体制確立]
段階:施設再編? ホスピスフィー+ケアフィー体制
段階:地域包括ケアシステム(人頭税システム導入)

(3)首都圏の高齢者急増への対応
今後15年で首都圏の高齢者急増
  (埼玉87万人、東京85万人、神奈川84万人、千葉72万人、大阪64万人) 
一人暮らし後期高齢者は、埼玉5.61倍、千葉4.78倍、神奈川3.68倍、東京3.20倍
首都圏の介護確保に向けた制度作り(住まい・サービス・マンパワーの確保)

(4)従業者確保
労働人口減少と介護学校への進学者減少、要介護者増⇒介護者の確保の困難性激化
離職者・退職者増・ユニット化増⇒介護者の確保の困難性激化

(5)自由度アップ 
介護保険収入の限界
 職員処遇↑、利用者ニーズの多様化、規制緩和⇒自由介護・多角経営化の推進
&A

予測通りの変化が12年間かけて行われてきました。 


そして、これまでの改定を踏まえた上で、2021年の介護保険制度改正・介護報酬改定のポイントを予測してみました。



(1)保健・医療・介護・福祉の整合性↑
→機能分化と適正配置
 [ 医療 : 急性期、回復期、慢性期、在宅  介護 : リハ・訓練、身体介護、認知症、療養介護、予防と介護 ]
→ 医療・介護 / 住居・食事・生活援助
医療・介護のマルメ報酬(定期巡回・小多機・看多機 + 新設)地域別報酬、地域包括報酬

(2)従業者確保
高齢者の活用(介護助手・生活援助)、外国人就業者(特定技能5年間で6万人)、潜在介護職発掘
効率化・省力化(ICT活用、文書半減 等)
職員のシェア

(3)介護保険給付の厳格化と対象者拡大
財源困窮で給付は、中重度者とADL維持・改善を中心
 [生存するための介護に対して給付]
介護=介護保険給付対象ではない
 [生活するための介護は総合事業/保険外 ]
共生型サービス ヘルパー・デイ・ショート ⇒ 入所へ

(4)首都圏高齢者急増、地域過疎化への対応
住居の確保  
 (住宅セイフティーネット法、日常生活支援住居施設、サ高住、建築基準法改定 )
共生社会の促進 ( 共生型サービス創設、地域共生社会推進検討会、認知症施策大綱)
コンパクトシティー(立地適正化計画)

(5)保険者機能の強化
インセンティブ交付金、需要と供給の調整権限強化、予防の強化

大きくは変わってはいませんが、「過疎化」「保険者機能の強化」がキーワードとなっており、全国一律の基準で介護保険サービスを賄うことが難しくなってきているのが分かるかと思います。

制度ビジネスである介護事業経営は今後どのように舵を切っていけばよいのか。

ぜひ、具体策をたてるための情報収集と取捨選択を行ってください。

上記5大ポイントへの対策が学べます。

<生き残るために介護保険の行方と事業運営>
https://www.tsuusho.com/junkai/

<地域包括ケア時代のデイ・総合事業への対応>
https://www.tsuusho.com/day/

<第18回日本通所ケア研究大会>
https://www.tsuusho.com/meeting/

2020年1月10日金曜日

介護現場で働くスタッフはこんなことに困っています!


実は…現場のスタッフはこんなことで困っています!

(月刊デイ編集部調べ)

多くの人が集まる介護現場からは、様々な「困った!」の声が聞かれます。

「ご利用者に関するもの 」
「ご家族との関係に関するもの」
「スタッフや業務に関するもの」

など、内容は実に多様です。

その中でも特に多く散見される困りごととしてはご利用者に関するものが多く、心身機能の低下や認知症に起因するものなど、様々な背景が複雑に影響し合って起きており、人・場面ごとに対応していく必要があります。

<現場スタッフはこんなことに困っています!困りごとが発生する場面>

 【送迎場面】
<上位の困りごと>
「狭い道が多く、接触事故を起こさないか心配」
■対策
→送迎問題をドライバー個人の問題として捉えずに「危険ルート情報共有シート」の作成で注意喚起(注意が必要な場所へ実際に出向き、危険個所の確認と走行練習)

「迎えに行っても準備が出来ておらず時間がかかる」
■対策
→「デイに行くとき準備リスト」の作成と時計の位置を変えるなど環境調整を行う
→必要性の評価を行い、ケアマネに相談し【居宅内介助】をサービスに含める

「送迎順や時間に関する要求が多い」
■対策
→送迎スケジュールは「ご利用者の体調」「ご家族の都合」を総合的に勘案し優先順位をつける必要性があります。それを理解した上で、長時間の送迎が必要になる方には、送迎時間が楽しくなるような工夫を行うのがよいでしょう。
→他の人が帰り始めて不安に感じるご利用者には、「顔写真付き配車ボード」を作成し、安心感を与える(配車表の作成を役割として行ってもらう)

「準備物を忘れてくる」
■対策
→「写真入り持ち物リスト」の作成

それ以外
・狭い道が多く、接触事故を起こさないか心配
・送迎者の駐車スペースがない
・家の中での介助を求められる
・迎えに行ったのに、不在
・送迎時にゴミ出しを要求される
・送迎時間の多少のズレでも怒る
・段差が多い
・雪道の送迎

【利用者トラブル】
<上位の困りごと>
「認知症ご利用者の悪口を言う」

■対策
→悪口の裏側に隠れているご利用の不安を感じ取る
→悪口を言うご利用者の「承認欲求」を1対1で向き合い、こまめに感謝や称賛の気持ちを伝える

「自分の座っていた席が分からなくなり、他の人の席に座ってしまう」
■対策
→椅子に目印(カバーをかけるなど)をつけて自分の席を認識してもらう(チェックシートを作成し、認識できているか評価する)

「他の利用者に暴力をふるったり、物を投げたりする」
■対策
→他の利用者から遠ざけるという対応をとるのではなく、その方の興味や関心のあることを考え、主体的に取り組める環境をつくる


それ以外
・デイ内での食べ物や物のやり取りがある
・貴重品を持ってくる
・デイで提供したおやつや書類などがずっとかばん の中に入っている
・自分が決めた席に他人が座ると怒る
・認知症の方の悪口を言う
・レクなどのゲームで負けると怒る
・人に向かって物を投げる

上記は、一部にしかすぎません。
色々な状況を想定し、対応・支援方法を身につけておくことで事業所・個人それぞれの評価・価値を高める事につながります。

もっと詳しく知りたい方はぜひ、月刊デイをご覧ください。

【月刊デイ】
https://daybook.jp/day.html

【サービスの質を高める研修】
https://www.tsuusho.com/